日常生活の中で、次のような場面に心当たりはありませんか?

  • 会話中に相手の言葉が聞き取りにくい
    • 友人や家族との会話で、「え?」と聞き返すことが増えた。
  • 雑音の多い場所での会話が難しい
    • カフェやレストランで、周囲の音が邪魔をして話が聞こえにくい。
  • テレビやラジオの音量が大きくなった
    • 家族から「音が大きすぎる」と言われることがある。
  • 電話での会話が聞き取りづらい
    • 相手の声がこもって聞こえ、内容を理解しにくい。

これらの症状は、聞こえづらさのサインかもしれません。多くの方が、自身の難聴を認めたくない、または気づかないまま過ごしています。しかし、早めに対処することで、生活の質を大きく向上させることができます。本記事では、聞こえづらさに気づくためのポイントや、自分でできる聴力チェック方法をご紹介します。

日常生活での聞こえづらさのチェック

こうした日常の聞こえにくさを正確に評価するために、学会や研究機関では「質問紙」を用いることがあります。この質問紙は、補聴器装用前と装用後で評価を行うことにより、難聴が生活に及ぼす影響の変化を定量することができるものです。例えば、以下のような質問を含みます。

  • 静かな場所で、家族や友人と1対1で向かい合って会話するとき、聞き取りにくいことがありますか?
  • 後ろから近づいてくる車の音に気づきにくいことがありますか?
  • 電子レンジの「チン」という音など、小さな電子音が聞こえにくいと感じますか?
  • 人混みの中での会話が難しく感じることがありますか?
  • 小声で話しかけられたとき、聞き取れないことがありますか?
  • テレビドラマを、周りの人にちょうど良い大きさで聞いているときに聞き取れるか?
  • 聞き取りにくさから、一人でいる方が楽だと感じることがありますか?
  • 話が聞き取れなかったときに、もう一度繰り返してもらうのが気が引けることがありますか?

これらの質問にいくつか当てはまる場合、聞こえづらさが始まっている可能性があります。

聴力検査と日常の聞こえのギャップ

健康診断や病院で行われる聴力検査は、静かな環境で特定の音を聞き取る能力を測定します。しかし、日常生活では様々な雑音が混在する中で会話をするため、検査結果と実際の聞こえ方が一致しないと感じられることがあります。

聴力検査の流れ

  • 準備:防音された静かな部屋でヘッドホンやイヤホンを装着します。
  • 検査方法:異なる高さ(周波数)や強さ(音量)の「ピー」という音が順番に流れ、音が少しでも聞こえたら、手を挙げたり、ボタンを押すなどして、検査員に合図を送ります。
  • 結果の評価:音がどの程度の音量で聞こえるか、どの周波数で聞こえるかを確認します。通常、正常な聴力であれば、小さな音や高い音も問題なく聞こえるはずです。検査が終了すると、医師が結果を評価し、その結果を基に、聴力に異常があるかどうかを判断します。

聴力検査にギャップを感じる理由

  • 検査は静かな環境で行われるため、日常の騒がしい環境での聞き取りとは異なります。
  • 検査は「ピー」という音で行われますが、実際の会話では様々な音を含み、音も連続的です。
  • 聴力検査で「正常」と診断されても、雑音下での会話が難しい場合があります。

健康診断や、病院やクリニックで行う聴力検査では、音を聞き分ける能力を測定しますが、実際の日常生活で感じる「聞こえにくさ」とは必ずしも一致しないことがあります。聴力検査では、静かな環境で特定の音を聞き取る能力を測定しますが、日常生活では、様々な音が入り混じった環境で会話をすることが多く、その中での聞き取りは全く異なる経験です。

大切なのは、検査結果だけでなく、自分が感じる「聞こえづらさ」にも目を向けることです。

自分でできる聴力テスト

日本においては、子供から大人まで、健康診断で聴力検査を受診する機会がありますが、仕事をリタイアした後はこの機会がパタッと無くなってしまいます(お住いの自治体によります)。なので、自分の聴力には自ら積極的に注意を払う必要があります。

最近では、自宅で簡単にできる聴力テストがアプリやオンラインで提供されています。これらのテストは、基本的な聴力を簡単にチェックできるもので、スマートフォンやパソコンを使って気軽に試すことができます。ここでは聴力テストアプリを2つ、オンライン聴力テストを4つ紹介します。いずれの場合も、静かな場所で試してくださいね。

注意点

  • これらのテストは医療機器ではないため、結果はあくまで目安としてご利用ください。
  • 静かな環境でテストを行いましょう。

聴力テストアプリ① ミミ・ヒアリング

ミミ・ヒアリング」は、スマートフォンを使って手軽に聴力をチェックできるアプリです。世界的にもメジャーなアプリです。高精度な音声処理技術を利用して、あなたの聴力状態を数分で簡単に測定します。テスト結果はグラフで視覚的に表示され、どの周波数帯で聞こえにくさがあるかを一目で把握できます。さらに、結果はアプリ内に保存され、定期的にチェックすることで聴力の変化を追跡することも可能です。聴力に不安がある方や、初めての聴力チェックを考えている方におすすめのアプリです。

聴力テストアプリ② 耳年齢チェック!

耳年齢チェック!」は、補聴器メーカーのReSoundが提供している、あなたの耳年齢を手軽に調べることができるユニークなアプリです。特定の周波数の音を聞き分けることで、現在の聴力年齢を測定します。シンプルな操作で、簡単に結果が出るため、忙しい日常の中でも気軽に試すことができます。歳を取るとモスキート音が聞こえなくなる感じのテストですね。

オーティコン オンライン聴力テスト

オーティコン オンライン聴力テストは、簡単かつ迅速に聴力を確認できるオンラインテストを提供しています。テストは、音を聞き分ける能力を評価するもので、結果はすぐに表示されます。初めて聴力検査を受ける方にも、使いやすいインターフェースが魅力です。

スターキー オンライン聴力テスト

スターキー オンライン聴力テストは、短時間で聴力のチェックができる便利なツールです。テストは数分で完了し、結果はすぐに表示されます。こちらは”つくえ”などの言葉の聞き取りテストも含まれています。

シグニア オンライン聴力チェック

シグニア オンライン聴力チェックは、スマートフォンやパソコンを使って、自分の聴力状態を簡単に確認できるツールを提供しています。直感的に操作できるインターフェースで、数分間のテストで聴力の状態をチェックできます。こちらはイヤフォンやヘッドフォン限定です。

パナソニック 聴力セルフチェック

パナソニック 聴力セルフチェックは、パナソニックが提供する聴力チェックツールです。シンプルな操作で、異なる高さの音を聞くことができます。聴力テストアプリ②の耳年齢チェック!同様、歳を取るとモスキート音が聞こえなくなるのに似たイメージのテストです。

自分でできる聴力テストは、正式な医療検査ほど精密ではないものの、自分の聴力状態を大まかに把握するのに役立ちます。たとえば、友人や家族との会話中に聞き取りづらさを感じた場合や、テレビやラジオの音量が必要以上に大きく感じられるようになったときには、このようなテストを試してみると良いでしょう。

難聴が及ぼす影響

聞こえづらさは、音が聞こえにくくなるだけでなく、生活全般に影響を及ぼすことがあります。

  • 認知機能への影響:聞こえにくい状態が続くと、脳の音情報処理能力が低下し、記憶力や思考力に影響。
  • コミュニケーションの障害:会話がスムーズにできず、誤解やストレスが生じる。
  • 社会的な孤立感:他人との関わりを避けるようになり、孤独を感じることが増える。
  • 精神的な疲労:聞き取るために集中力を使い、疲れやすくなる。

早めの対策が大切です

聞こえづらさを感じたら、以下の行動を検討してみてください。

  1. 自宅での聴力チェック
    • 前述のアプリやオンラインテストを利用して、自分の聴力状態を確認。
  2. 専門医への相談
    • 聴力テストの結果や日常で感じる聞こえづらさが気になる場合、耳鼻咽喉科を受診。
    • 専門的な検査を受けることで、正確な聴力状態や原因を把握。
  3. 家族や友人への相談
    • 周囲の人に自分の聞こえづらさを伝え、サポートをお願い。

耳の健康は、歯や目の健康と同じくらい大切です。

耳にも注意を向けましょう

  • 定期的なチェックの重要性:仕事をリタイアした後は、聴力検査の機会が減ります。自分で積極的に聴力に注意を払いましょう。
  • 早期発見・早期対処:聞こえづらさを感じたら、放置せずに専門家に相談することで、生活の質を維持・向上できます。

まとめ

聞こえづらさを感じたら、自分の聴力状態に目を向ける良い機会です。自宅でできる簡単なテストや専門医の力を借りて、自分の耳の健康をチェックしましょう。聞こえの問題を放置せず、適切なケアを受けることで、明るく豊かな生活を続けることができます。

聞こえの悩みは一人で抱え込むものではありません。小さなサインを見逃さず、積極的に耳の健康に取り組んでみてください。あなたの行動が、より良い未来への第一歩となります。


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